口腔がんとは!?【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】

2020.06.01

アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は口腔がんについてお話していきます。

最近メディアでも大きく取り上げられていた「口腔がん」。お口の中にできてしまった口内炎がなかなか治らず、不安に思い歯科への来院が増加している一方で、「自分ががんになるなんて」と、がんになることへの意識が低い方も中にはおられると思います。

今回はこの「口腔がん」について、いったいどんなものなのか!!と言うことをお伝えしていければと思います。

そもそも「口腔がん」とはどんなものなのか。
これはお口の中にできるがんの総称です。舌や歯茎、口腔底、頬の粘膜、口蓋、あごの骨、くちびるなど、歯以外のどこにでも発生する場合があります。
この中でも全体の6割を占めているのが「舌」にできるがんです。
特に舌の中でも横側にがんができやすく、次に舌の裏や先に出来やすいと言われているんです。

年代や性別へのデータも出ており、60代以上の高齢者や男性に発症しやすい傾向にある中で、最近では女性や若者の患者さんも増えてきていると言われています。

この口腔がんは、初期の段階では痛みがないということから早期発見を難しくしており、これがとても厄介なのです。
また痛みを伴うまで進行していたとしても、それを患者さん自身が「これはがんだ!!」と認識されることが少なく、重症化してしまうケースも少なくありません。

進行してしまうことで、患部を大幅に切除しなくてはなりませんし、組織をからだの他の場所から移植をする必要があります。それだけではなく、切除後も化学放射線療法や、お口の機能のリハビリも欠かせません。

しかしこれがもし早期発見できたのなら、切除範囲がわずかで済むため、発音や発生などに障害が残らないことも多くありますし、再発のリスクも少ないのです。

ですのでこの早期発見がとても大事になってきます!!

がんにステージがあるのはなんとなくご存知の方もおられると思います。
この口腔がんにももちろんステージがあります。
ステージとはその病変の大きさや深さと、転移の有無によってⅠからⅣの4つに部類されるものです。

ステージIであれば、大きさ2cm以下、深さ5mm以下。
ステージⅣであれば大きさ4cm以上、深さ10mm以上。

このような感じです。ステージⅣまで進行していると、隣接器官への波及やリンパ節転移があります。

データを見ていく中でも、やはりこの早期発見はとても大事になってくるのが分かると思いますし、4㎝以上のものができてしまうことでやはり舌の切除についても心配になりますよね。

 

次は早期発見についてや口内炎との違いについてお話ししていきますね。

口腔がんは長らく放置してしまって(自分ががんになってしまっているということに気づかず)重症化してしまうケースも少なくないというお話をしましたが、2016年の国内158施設が協力した調査によりますと、口腔がんの患者さん2505例のうち進行したステージⅣの状態で来院された患者数は全体の35.8%を占めていたという結果が出ています。
つまり来院された患者さんの3人に1人はステージⅣになるまで気づかず、進行してしまっているということになります。

一般的にがんになる要因として、食事や生活習慣(お酒やタバコ)、ウイルスだと言われていますが、口腔がんでは加えてお口の粘膜への「慢性的な刺激」が原因として言われています。
つまり刺激を繰り返し与えることで、繰り返されるうちに、粘膜の細胞になんらかの異常が起き、口内炎から前がん病変へと変わり、口腔がんへと変貌していくのです。

これにならないためのセルフチェックはもちろん、歯科でのメインテナンス(定期検診)で舌や粘膜のチェックもしてもらうことが、早期発見するためにとても大切になってきます。

そして、発症することがないようにリスクになる要因を取り除いてあげることがとても大事になってきます。

それでは口腔がんの早期発見チェックをつけてみましょう!

このうち3つ異常チェックがつく場合は歯科での検査をオススメします。

【生活習慣】
□タバコを一日40本以上吸う
(または一日に吸う本数×喫煙年数が1000本以上)
□毎日お酒を日本酒換算で3合以上飲む
・ビールならビン3本
・酎ハイ(7%)なら350ml缶3本
・ワインならグラス3杯
・ウイスキーならダブル3杯
に相当する。
□2週間以上治らない口内炎がある

【お口の状況】
□抜歯した歯が治らない
□入れ歯が当たってできた傷が治らない
□最近歯が浮くような感じがある
□舌が動かなくなった
□お口が開きにくくなった
□くちびるや舌がしびれる

【鏡でチェック】
□白っぽいできものがある
□赤くただれたところがある
□触って硬いしこりがある

(nico 2019.9参照)

いかがでしたでしょうか⁇
とはいえ患者さん自身で口内炎なのか前がん病変なのかの見分けをするのは難しいです。
また舌の横側や奥を自身で見るのはとても難しいです。
ですのでしっかりと定期検診に通いチェックを受けていきましょう。
当医院でも定期検診を重視しております!
気になることや不安なことはなんでもお話ください。

 

次回は口内炎との違いをお伝えします。

口内炎がすべて口腔がんになるわけではありません。
しかし口内炎が出来やすい場所というのは注意すべき場所ではあります。

前述にもありますが、口内炎がすべて口腔がんになるわけではなく、口内炎がある日突然口腔がんにも変貌するわけでもありません。
ではどのようにしてがんになっていくのでしょうか?
口内炎の中でも細胞の増殖が異常に起きてしまい、ごく稀にがんになる潜在能力が有したものが口腔がんになる可能性があるのです。

そして口腔がんにいきなり進行してしまうのではなく、「前がん病変」と呼ばれる(がんではありませんが、がんになる前の段階)状態を必ず経由します。

この前がん病変はすぐにがんに変貌を遂げるいうわけではありません。
というのも、この「前がん病変」が出来てからがんになるのに5年以上の年月がかかります。また、前がん病変が必ずしもがんになるというわけでもありません。
つまり前がん病変があったとしてもがんにはならず、そのままの状態が変わらないこともあります。

そうはいってもやはり口内炎が出来やすい場所というのは細胞が増殖と修復を繰り返しているということなので細胞に異常が起こる可能性は十分にあります。
ですので口内炎が出来やすい環境を放置してしまうことはよくないのです。

ではどういったサインで口内炎と見分ければいいのでしょうか?
一番わかりやすい前がん病変のサインは粘膜の「赤」と「白」の色調の変化にあります。
これは粘膜の細胞が過剰に増殖することによって、形や色が変化して見れるということです。

そしてこの異変に気づくためにはご自身の観察もありますが、やはり定期検診が重要になってきます。
「痛みがでてから歯医者さんに通う」、「痛みがないので歯医者さんには行かない」ということは結果として気づきが遅れてしまう原因になります。
またお口の中の良い環境もとても大切になってきますので、たとえ治療が終了していたとしてもこの定期検診はとても必要になってきます。

またたとえ前がん病変を見つかった場合も、がん化をいち早く見つけられるようにするためにも定期検診は大切です。

当院でも舌を含めたお口全体を見させていただいております。
自分で大丈夫と決めつけるのではなく、異変に気付いた場合は、また気になることはなんでもご相談ください。

 

当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。

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