【掌蹠膿疱症と歯科】口の中の病気と全身のつながり|アスヒカル歯科 加藤院長が解説

2025.10.14

皆さん、こんにちは!大阪市都島区にあります、地域のかかりつけ歯科医院「アスヒカル歯科」院長の加藤真悟です。

本日は、少し専門的な内容ですが、私たちの体全体に関わる重要なテーマ「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」についてお話ししたいと思います。

あまり聞き慣れない病名かもしれませんね。
この病気は、手のひらや足の裏に膿(うみ)を持った小さな水ぶくれができる、皮膚の病気です。

「なぜ歯科医院で皮膚の病気の解説をするの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、掌蹠膿疱症と口の中の病気、特に歯周病や扁桃腺の炎症には深い関わりがあることがわかっています。

今日は、皆さんの不安を少しでも和らげ、この病気について理解を深めていただくために、以下のポイントに沿って詳しく解説していきます。

ポイント

  1. 掌蹠膿疱症とは?どんな症状が出るの?
  2. 掌蹠膿疱症の原因は何?歯科とどう関係するの?
  3. 治療法と、私たちアスヒカル歯科ができること

それでは、一つずつ見ていきましょう。

①掌蹠膿疱症とは?どんな症状が出るの?

まず、「掌蹠膿疱症」とはどのような病気なのでしょうか?

掌蹠膿疱症は、その名前の通り「掌(てのひら)」と「蹠(あしのうら)」に「膿疱(のうほう)」という小さな膿がたまった水ぶくれができる病気です。

掌蹠膿疱症の主な症状

  • 手のひらや足の裏に膿疱ができる
    • 初期は赤みを帯びた小さなブツブツとして現れ、やがて中に膿が溜まります。痛みやかゆみを伴うこともあります。
    • 膿疱は数日〜数週間で乾燥し、カサブタになって剥がれ落ちますが、新しく形成されることを繰り返します。
  • 爪の変形
    • 爪が厚くなったり、変形したり、剥がれてしまうこともあります。
  • 関節の痛み(掌蹠膿疱症性骨関節炎)
    • 実は、皮膚の症状だけでなく、約10〜30%の方に鎖骨や胸の関節に痛みを伴う「掌蹠膿疱症性骨関節炎」を合併することもあります。
      これはいわゆるリウマチのような関節炎で、日常生活に支障をきたすこともあります。

この病気は良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多く、見た目の問題だけでなく、かゆみや痛み、関節炎などによって患者さんの生活の質(QOL)を大きく低下させてしまうことがあります。
「手のひら 足の裏 膿疱」といった症状でお悩みの方は、ぜひ皮膚科を受診してみてください。

②掌蹠膿疱症の原因は何?歯科とどう関係するの?

次に、掌蹠膿疱症の原因について掘り下げていきましょう。

この病気の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、いくつかの要因が関連していると考えられています。

掌蹠膿疱症の主な原因と誘因

  • 扁桃腺の炎症
    • 扁桃腺は喉の奥にあるリンパ組織で、風邪などで炎症を起こしやすい場所です。この扁桃腺の慢性の炎症が、掌蹠膿疱症を引き起こす引き金となることが非常に多いと報告されています。
  • 喫煙
    • ニコチンが免疫反応に影響を与え、病気を悪化させる可能性があります。
      「喫煙 掌蹠膿疱症」で検索すると多くの情報が出てきます。
  • 金属アレルギー
    • 歯科治療で使用される金属(詰め物や被せ物)が原因となることもあります。
      特にパラジウムやニッケルなどの金属にアレルギーがある場合、それが全身に影響を及ぼし、掌蹠膿疱症の症状として現れることがあります。
      「歯科金属アレルギー 症状」で検索される方もいらっしゃいますね。
  • 虫歯・歯周病などの口の中の慢性炎症
    • ここが、私たち歯科医院と掌蹠膿疱症の最も重要な接点です。
      口の中に「虫歯を放置するとどうなる」か皆さんご存知でしょうか?
      虫歯や歯周病(歯ぐきの病気)が進行すると、口の中には常に細菌がはびこり、慢性的な炎症が起こります。
      この炎症が、扁桃腺の炎症と同様に、全身の免疫システムに影響を与え、掌蹠膿疱症の発症や悪化に関与していると考えられているのです。

つまり、口の中の健康は、単に歯の健康だけでなく、全身の健康、そして掌蹠膿疱症のような皮膚の病気にも深く関わっているということです。

③治療法と、私たちアスヒカル歯科ができること

それでは、掌蹠膿疱症の治療と、アスヒカル歯科で皆さんに提供できるサポートについてお話しします。

掌蹠膿疱症の治療は、主に皮膚科で行われます。

掌蹠膿疱症の一般的な治療法

  • 外用薬
    • 炎症を抑えるために、患部に塗るお薬です。
  • 内服薬
    • 症状に応じて、ビタミンA誘導体、免疫抑制剤、生物学的製剤などが使用されることもあります。
  • 紫外線療法(PUVA療法、ナローバンドUVB療法)
    • 特定の波長の紫外線を患部に当てる治療法です。

しかし、先ほどお話ししたように、口の中の環境が掌蹠膿疱症に影響を与えているケースも少なくありません。

そこで、私たち地域のかかりつけ歯科医院がお手伝いできることがあります。

アスヒカル歯科でできるサポート

  1. 虫歯・歯周病の徹底治療
    • 口の中の慢性的な炎症源である虫歯や歯周病をきちんと治療し、清潔な状態を保つことは、全身の免疫システムの負担を減らし、掌蹠膿疱症の改善につながる可能性があります。
  2. 歯科金属アレルギーの検査と対応
    • 金属アレルギーが疑われる場合は、皮膚科やアレルギー科でアレルギー検査を行い、原因となる金属を特定します。
      その上で、アレルギーの出にくい素材(セラミックなど)への交換を検討します。
  3. 定期的なメンテナンス(予防歯科)
    • 治療が終わった後も、定期的な「メンテナンス」は非常に重要です。
      プロによるクリーニングやフッ素塗布で、虫歯や歯周病の再発を防ぎ、口の中を常に健康な状態に保ちます。
      これにより、全身の健康維持にも貢献できると考えています。

私たちは「安心・信頼・わかりやすさ」を重視し、患者さんのお話をじっくり伺いながら、それぞれの状態に合わせた最善の治療法をご提案しています。

まとめ

本日は、掌蹠膿疱症という病気と、それが口の中の健康とどのように関わっているのかについて解説しました。

  1. 掌蹠膿疱症とは?どんな症状が出るの?
  2. 掌蹠膿疱症の原因は何?歯科とどう関係するの?
  3. 治療法と、私たちアスヒカル歯科ができること

掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に膿疱ができる皮膚の病気ですが、その背景には扁桃腺の炎症、喫煙、そして虫歯や歯周病といった口の中の慢性炎症が関係していることがあります。

もし、ご自身やご家族が掌蹠膿疱症でお悩みの場合、皮膚科での治療と並行して、ぜひ一度、アスヒカル歯科にご相談ください。口の中の健康を整えることが、症状の改善につながるかもしれません。私たちは、皆さんの全身の健康をサポートできるよう、これからも「安心・信頼・わかりやすさ」をモットーに、最善の歯科医療を提供してまいります。

何か気になることがありましたら、お気軽に当院までお問い合わせください。

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