【放置は危険】歯ぎしりが招く怖い結末|音がしない人も要注意!歯科医師が解説

2025.08.29

「自分の歯ぎしりの音で目が覚めた…」

「家族から、歯ぎしりがうるさいと指摘された…」

歯ぎしりについて、こんな経験はありませんか?

でも、実は「ギリギリ」と音がする歯ぎしりをしている人は、全体の約2割だけ。
残りの8割の人は、音がしない「サイレント歯ぎしり」だということをご存知でしょうか?

つまり、「自分は歯ぎしりをしていない」と思っている多くの方も、気づかないうちに歯や顎に深刻なダメージを与えている可能性があるのです。

今回は、「実は怖い、歯ぎしりが引き起こすこと」をテーマに、絶対に知っておくべき2つの事実を解説します。

この動画を見れば、歯ぎしりの本当の怖さと、なぜ対策が必要なのかが分かります。

本日お伝えするポイントはこちらです。

 

ポイント1:歯ぎしりは歯・歯茎・顎を破壊する
ポイント2:ほとんどの歯ぎしりに「音」はない

以上の2つのポイントについて解説します。

 

ポイント1:歯ぎしりは歯・歯茎・顎を破壊する

歯ぎしりをしてしまう、自分の歯ぎしりの音で目が覚めてしまった!とお話しされる方をよく聞きます。

実は、歯ぎしりをなぜしてしまうのかについては、まだはっきりと分かっていないことが多いのです。

ですが、「ギリギリ」と音がなると、ちょっと心配になったりもしますよね。

歯ぎしりを強く何度も行っている場合には、顎関節に支障をきたしてしまったり、歯周病が悪化したり、歯がどんどんと削れて、すり減ったり、最悪の場合歯が割れてしまうと抜歯になってしまう可能性があります。

寝ている間の無意識な歯ぎしりでは、食事の時とは比べ物にならないほど、体重以上の強力な力が歯や顎にかかっています。

この強すぎる「力」が、お口の中に様々なトラブルを引き起こします。

・歯へのダメージ
歯がどんどん削れて短くなる(咬耗)

・歯にヒビが入る、欠ける
最悪の場合、歯が真っ二つに割れてしまい、抜歯せざるを得なくなることもあります。

・顎関節へのダメージ
顎の関節に負担がかかり、顎関節症を発症。「口が開きにくい」「顎がカクカク鳴る、痛い」といった症状が出ます。

・歯茎(歯周病)への悪影響
歯周病の方が歯ぎしりをすると、歯を支える骨に過剰な力がかかり、歯の揺れが大きくなるなど、歯周病の進行を加速させてしまいます。

虫歯や歯周病は細菌による「感染症」ですが、この歯ぎしりは「力」によって歯の寿命を縮める、もう一つの大きなリスク要因です。

健康な歯でさえ、強すぎる力によって失ってしまう恐れがあります。

もし歯ぎしりをしている場合には、その影響を抑えるための工夫がありますので、その実践を行っていただくことが大切です。

ポイント2:ほとんどの歯ぎしりに「音」はない

冒頭でもお伝えしましたが、歯ぎしりで音が鳴るのは、実は少数派です。

歯ぎしりで音がなるのは、口腔内が乾燥している場合です。

ですので、歯ぎしりをしている方の8割の方は音が鳴らず、2割程度の人しか『ギリギリ』といった音はなりません。

【歯ぎしりのセルフチェックリスト】

朝起きたとき、顎や頬の筋肉が疲れている、だるい

歯が短くなった、平らになった気がする

冷たいものが歯にしみる(知覚過敏)

詰め物や被せ物がよく取れる、欠ける

頬の内側や舌に、歯を押し付けたような白い線(圧痕)がある

一つでも当てはまる方は、音がなくても歯ぎしりをしている可能性があります。

歯医者さんで「歯ぎしりをしていますね」とお話しされて、初めてご自身が歯ぎしりしていることに気づくことも多いと思います。

音はなくても歯がすり減っていると、歯ぎしりをしている証拠となります。

もし、指摘が合った場合には、「自分は歯ぎしりしていない!」というのではなく、ぜひ対策を行っていただくことを推奨します。

まとめ

今回は、「歯ぎしりが招く怖い結末」について、2つのポイントを解説しました。

ポイント1:歯ぎしりは、強すぎる力で歯・歯茎・顎を破壊し、歯を失う原因になる。

ポイント2:歯ぎしりの8割は音がしないため自覚しにくく、気づかないうちに症状が進行していることが多い。

歯ぎしりは、自覚症状がないまま歯や顎に深刻なダメージを与え続ける、まさに「静かなる病気」です。

放置すれば、大切な歯の寿命を確実に縮めてしまいます。

対策として有効な「ナイトガード」というマウスピース治療などもありますので、少しでも心当たりのある方は、ぜひ一度、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。

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