【要注意】歯肉がんの見分け方|もしかしてその口内炎、がんかも?歯科医が解説

2025.10.25

皆さん、こんにちは!大阪市都島区にあります、地域のかかりつけ歯科医院「アスヒカル歯科」院長の加藤真悟です。

本日は、皆さんの口腔内の健康に関わる、非常に大切なテーマ「歯肉がんの見分け方」についてお話ししたいと思います。

がん、と聞くと不安に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、早期発見・早期治療が何よりも重要ですので、正しい知識を持つことが大切です。

「口内炎かな?」「歯周病のせいかな?」と自己判断してしまいがちな症状の中には、ごく稀に歯肉がんのサインが隠れていることがあります。

今日は、皆さんに必要以上に不安を感じさせることなく、しかし見落としてはいけないポイントをしっかりと理解していただくために、以下のポイントに沿って詳しく解説していきます。

本日の動画のポイント

  1. 歯肉がんとは?どんな人がなりやすい?
  2. 見落としがちな初期症状と、自分でチェックできるポイント
  3. 「これってがん?」と思ったら、どうすればいい?

それでは、一つずつ見ていきましょう。

①歯肉がんとは?どんな人がなりやすい?

まず、歯肉がんとはどのような病気なのでしょうか?

歯肉がんの基本知識

  • 口腔がんの一つ
    • 歯肉がんは、口の中にできるがん、いわゆる「口腔がん」の一種です。口の中のがん全体から見ると、舌がんの次に多いとされています。
    • 初期には痛みがないことも多く、ただの口内炎や歯周病だと思い込んでしまい、発見が遅れるケースも少なくありません。
  • どこにできる?
    • 文字通り、歯ぐき(歯肉)にできます。特に、奥歯の歯ぐきや、下の前歯の裏側の歯ぐきにできやすい傾向があります。

歯肉がんになりやすい人・リスクファクター

  • 喫煙習慣のある方
    • 喫煙は口腔がんの最大のリスクファクターの一つです。
      タバコの煙に含まれる発がん性物質が、口の中の粘膜に慢性的な刺激を与えます。
  • 飲酒習慣のある方
    • 過度なアルコールの摂取も口腔がんのリスクを高めると言われています。
      特に喫煙と飲酒を併用すると、リスクがさらに高まります。
  • 不適合な義歯や詰め物・被せ物
    • 合わない入れ歯や、とがった部分のある詰め物・被せ物などが、常に歯ぐきを擦ったり刺激したりすることで、慢性的な炎症が起こり、それががん化のリスクを高めることがあります。
  • お口の中の不衛生な状態
    • 「歯周病を放置するとどうなる」か皆さんご存知でしょうか?
      虫歯や「歯周病」(歯ぐきの病気)が進行し、口の中が不衛生な状態が続くと、慢性的な炎症が起こり、細胞に異常が起こりやすくなると考えられています。

年齢層としては50代以降に多く見られますが、決して若い世代の方がならないわけではありません。日頃からお口の中の状態を意識しておくことが大切です。

②見落としがちな初期症状と、自分でチェックできるポイント

では、具体的にどのような症状に注意すればよいのでしょうか?自分でチェックできるポイントをいくつかご紹介します。

歯肉がんの見落としがちな初期症状

「口内炎かな?」「歯周病のせいかな?」と自己判断せずに、以下の症状に心当たりがある場合は要注意です。

  • 治りにくい口内炎や潰瘍
    • 一般的な口内炎は1~2週間で自然に治りますが、それ以上長引く(特に2週間以上)場合は注意が必要です。痛みがない場合もあります。
  • 歯ぐきのただれやデキモノ
    • 白い斑点や赤い斑点(紅板症・白板症)、しこりのようなものが歯ぐきにできることがあります。
  • 歯ぐきの腫れや出血
    • 「歯周病」と間違われやすい症状ですが、特定の部位だけがなかなか治らずに腫れていたり、触ると簡単に出血したりする場合は要注意です。
  • 歯のぐらつきや自然な抜け落ち
    • 特に理由もなく特定の歯がぐらつき始めたり、自然に抜けてしまったりするケースがあります。
  • 入れ歯が合わなくなる
    • 今までぴったり合っていた入れ歯が、急に合わなくなったと感じる場合も、歯ぐきの形が変わったサインかもしれません。
  • 原因不明の痛みやしびれ
    • 口の中に原因がはっきりしない痛みやしびれが続く場合も、注意が必要です。

自分でできる!お口のセルフチェックポイント

毎日歯磨きをするついでに、鏡を見てお口の中をチェックする習慣をつけましょう。

  1. 全体をよく見る
    • 歯ぐき全体の色や形に変化はないか?
    • 舌の裏、頬の内側、上あごなど、普段見慣れている場所と違うところはないか?
  2. 触ってみる
    • しこりのような硬い部分はないか?
    • 触ると痛い、出血するところはないか?
  3. 左右を比較する
    • 左右対称か?片方だけ腫れていたり、デキモノができていないか?

「口内炎が治らない」と感じたら、まずは歯科医院を受診することが大切です。

③「これってがん?」と思ったら、どうすればいい?

もし、先ほどお話ししたような症状に心当たりがあり、「これってがんかも?」と不安に感じたら、どうすればよいのでしょうか?

まずは歯科医院へご相談を!

  • かかりつけの歯科医院へ
    • 「歯肉がん」の疑いがある場合、まずは私たちのような「かかりつけ歯科医院」を受診してください。
      歯科医師は、お口の中のプロフェッショナルです。口内炎とがんの判別は、専門家でなければ難しい場合があります。
    • アスヒカル歯科では、一般歯科から幅広く対応しており、お口の中のどんな異変でもご相談いただけます。
  • 無理に自己判断しない
    • インターネットの情報だけで自己判断せず、必ず専門家の意見を聞くことが重要です。不安な気持ちを抱え込まず、私たちにご相談ください。
  • 専門医への紹介
    • もし、歯科医師が歯肉がんの疑いがあると判断した場合は、専門の医療機関(口腔外科、総合病院や大学病院など)へ速やかにご紹介します。
      早期発見であれば、治療の選択肢も増え、予後も良くなる可能性が高まります。
    • 私たちアスヒカル歯科は、地域の医療機関と連携し、患者さんの最善の治療のためにサポートいたします。

アスヒカル歯科では、「安心・信頼・わかりやすさ」を重視し、患者さんのお話をじっくり伺います。少しでも気になることがあれば、どんな小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
「相談しにくい」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは皆さんの健康を第一に考えています。

まとめ

本日は、歯肉がんの見分け方という大切なテーマについて解説しました。

  1. 歯肉がんとは?どんな人がなりやすい?
  2. 見落としがちな初期症状と、自分でチェックできるポイント
  3. 「これってがん?」と思ったら、どうすればいい?

歯肉がんは、口の中にできるがんの一つで、喫煙や飲酒、慢性的な刺激などがリスクファクターとなります。治りにくい口内炎やしこり、原因不明の歯のぐらつきなど、見落としがちな初期症状に注意し、日頃からお口のセルフチェックを行うことが大切です。

もし「これってがんかも?」と不安に感じたら、決して自己判断せず、まずは私たちアスヒカル歯科のような「かかりつけ歯科医院」にご相談ください。早期発見・早期治療が、皆さんの命と健康を守るために最も重要です。

私たちは、皆さんが安心して相談できる場所でありたいと願っています。どんな些細なことでも、お気軽にご来院ください。

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