口呼吸について【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】

2019.03.18

アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は口呼吸について説明していきます。


日本病巣疾患研究会のホームページに口呼吸について詳しく記載されているので、以下抜粋していきます。
口呼吸は専門的には「こうこきゅう」と読みます。
口呼吸とは、「吸う息、吐く息のどちらか一方でも口から行う呼吸法」であり、それに加えて「常時開口状態における口唇閉鎖不全(いわゆるポカン口)」も含めています。
口呼吸になる理由は様々です。
軟らか食(口の周りの筋肉が発達しないため)、言葉の変化(メールなどで会話をしなくても意志を伝えられる)、口遊びの減少(口笛を吹けない人が多数)、アレルギー疾患の増加(花粉症、アレルギー性鼻炎だとますます口呼吸に)、などたくさんの原因が挙げられます。これら一つずつというわけでなく、複数の原因が絡み合っている場合もあります。
その他にも、急激な温度変化(血管作動性鼻炎や暑さや寒さの刺激)、激しい運動、就寝中のいびきなども原因になります。携帯ゲーム機やスマートフォンの操作に集中している時も口呼吸になりがちですから要注意です。
口呼吸を行うと様々な問題が生じてきます。その中でも歯科に関して考えていきましょう。
①口の筋肉の動きが変化し、歯並びが悪くなります
②口腔内の唾液が蒸発しやすくなり、口腔内が乾燥します。
③唾液には抗菌作用があるので、口腔内が乾燥することで唾液の抗菌作用が低下し、口腔内の細菌が増殖しやすくなり、口臭が生じます。
④唾液の抗菌作用が低下し、虫歯や歯周病のリスクが増加します
⑤口腔内が冷えることにより低体温にもなりますし、口腔乾燥状態は外敵の侵入を容易に許してしまう口腔粘膜を作ります。
などなど、口呼吸は良くないことがわかりますね。
歯を守るためにも口呼吸の方はぜひ耳鼻科受診してはいかがでしょうか。
幼児を対象にした研究で、保護者からの申告では21%に口呼吸が認められ、これが小学校高学年を対象にした専門家の診察ではその割合が倍以上の半分程度に達し、幼児では専門家が診察するとそれ以上の割合になるそうです。
自分だけではなく、お子さんにも注意を払う必要がありそうですね。
結論としては、口呼吸は百害あって一利なしと考えていいかと思います。
しかしこれで終わるとよくある話になってしまうので、今回は口呼吸の良い点を無理やり探していきたいと思います。
東北大学大学院歯学研究科 発達加齢・保健歯科学講座所属の小久江 由佳子が『小児の口呼吸に関する実態調査』(小児歯科学雑誌2003, 41 巻, 1 号, p. 140-147)にて、 保育園11か所における年長児クラス(4~6歳)の275名の保護者を対象にアンケート調査を行ったところ、保育園児の49.5%にアレルギー性鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎のいずれかの既往があり、保育園児の22.8%が口呼吸をしている可能性があると報告しています。つまり口呼吸している方は鼻咽頭疾患の既往率が高いことが分かります。単純に、鼻炎で鼻が詰まっているから口で呼吸するということですね。
STEAM教育協会が主催する科学検定のホームページでは、嗅覚を失った肥満マウスを用いたカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の実験を取り上げています。人の嗅覚は、食べることの楽しみと密接に関係しているのはなんとなく納得できることと思います。実際にそのことを証明したのがカリフォルニア大学の実験です。嗅覚を失った肥満マウスはやがて体重も減った、嗅覚欠損マウスは、脂肪燃焼を増進するとされる交感神経系の働きを高めることで、カロリーの燃焼を速めた、と述べられています。つまり嗅いが分からなければ、食欲は減退し、体脂肪も通常よりもよけいに燃焼して痩せていく訳ですね。
口呼吸されている方の中でも、鼻が詰まっている方だけは、痩せやすい点に関してはメリットと考えてもいいかも知れませんが、そもそもデメリットが大きすぎるので早めに耳鼻科受診して口呼吸を治した方が良さそうですね。
蛇足となりましたが、口呼吸のお話はここまでです。

当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。

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