緑茶や水でのうがい、効果の程は!?【大阪市都島区内の歯医者|アスヒカル歯科】

2020.09.01

アスヒカル歯科医院から歯科関連で役に立つ情報を定期的に皆様に提供させて頂いております。
今回は緑茶や水での含嗽についてお話していきます。

インフルエンザ予防に際して、マスク装着の効果について御存知でしょうか?
自治医科大学付属さいたま医療センターのHPには

『マスクが最も効果を発揮するのは咳やくしゃみのある人がマスクをつけた場合です。風邪やインフルエンザ患者は1回の咳で約10万個、1回のくしゃみで約200万個のウイルスを放出すると言われています。そこで、患者がマスクをつけることでこれらを含んだしぶきによる周囲の汚染を減少させることができるのです。風邪やインフルエンザに罹らないためにマスクをつけてもその効果は限定的とされています。なぜなら、顔とマスクとの間に隙間がありウイルスを含んだ飛沫の吸入を100%防ぐことはできません。また、ウイルス自体の粒子径は0.1~0.2μmですが、咳やくしゃみではウイルスに水分やほこりが付着し粒子径は5μm以上とやや大きくなるためすぐに短い距離に落下し、空間をただようことはないからです。更に、環境や衣類に付着したウイルスが手によって呼吸器に運ばれ感染する場合もありマスクだけで風邪やインフルエンザのウイルスを確実に遮断することはできません。ただし、風邪やインフルエンザ患者の近くで看病するなど咳やくしゃみのしぶきを直接あびる可能性がある場合には予防効果があると考えられます。』と記載されています。

インフルエンザの予防には、「マスクだけをすれば大丈夫」ではなく「マスクもしておくことでより予防効果が高まる」という認識で、予防接種や手洗い、うがいなどをしっかりと行うことが大事となってきます。

『うがい』は歯科にも関係するフレーズです。
次に『うがい』について少し掘り下げていきたいと思います。

お茶に多く含まれるポリフェノールの「カテキン」には抗ウイルス作用があり、お茶でうがいをするとインフルエンザ予防に有効であるといわれています。

伊藤園と静岡大学薬学部との共同研究でも、緑茶でうがいをしたり、緑茶をこまめに摂取する習慣を日常生活に取り入れるのが効果的であると示されています。
このときのカテキンの濃度は、市販のペットボトル飲料の半分くらいで、家庭で用意したお茶でも1日3回のうがいを続ければ同じような効果が期待できるとのこと。

では、緑茶でのうがい、含嗽はインフルエンザ予防以外にも効果はあるのでしょうか?歯科的な観点で考えていきたいと思います。

第 29回日本看護学会集録(看 護総合)( p52 ~ 54,1998)に掲載されている 佐伯恵美の『緑茶の口腔内殺菌作用と爽 快感の検討』によると、『お茶の抗菌効果を利用し緑茶もイソジンと同様に細菌数の低下が認められ た』と報告しています。

これにより、緑茶による含嗽は、インフルエンザ予防だけではなく、口腔内の細菌数を減らしてくれることが分かります。口腔内細菌の減少は誤嚥性肺炎の予防などに繋がるので非常に重要です。

しかし、緑茶は濃度が濃いと苦みが出てくるので、含嗽には向いてないのではないか?と疑問に思われる方もおられるのではないでしょうか。どれぐらいの緑茶の濃度であれば含嗽殺菌の効果があるのか気になりますね。

奈良県立医科大学付属病院看護部の徳永綾子の研究報告『水がもたらす含嗽の効果 : 緑茶・イソジンとの比較を行って』(徳永綾子,日本看護学会誌 15(1), 83-90, 2005-09)によると

殺菌作用のない水でもしっ かり含嚇を行うことで細菌数の減少、口臭の 改善及び、含嚇後の爽快感が得られ、お茶よりも効果的であることが分かった。お茶と比べて水は無味無臭、低刺激であることから誰 でも抵抗なくうがいでき、手軽に便利に使用 できる利点がある。よってイソジンのような 含嚇液がなかった時代からも行われていた、 水だけの含嚇でも十分効果があるということ を立証する研究となったと考える。』と報告されています。

イソジンが口腔内消毒液であるため、 菌数減少という結果を認めたのは当たり前の結果だと言えます。
お茶の殺菌効果については、緑茶濃度 3 %以上で効果を示し、以後殺菌効果 は濃度と緩徐に比例すると述べており、 濃度が 5%以上のお茶では渋みが強く合嚇が 困難になるとの報告があります。人によっては3%の緑茶でも苦みを感じるようです。
また 5%の緑茶液に大 腸菌を入れ、 24時間後に菌がどれくらい死 滅するのかを調査した研究によると、 24時間後 には半数以下まで菌数の減少を認めたという研究があります。ここからお茶はゆっくり時聞をかけて殺菌効果を現し、 30秒間の含嚇 程度では十分な殺菌効果が得られない可能性が示唆されています。それに対して、水には殺菌作用がないが、口腔内を洗い流すという行為 だけでも十分菌を減少させる効果があるもの と考えられます。

お茶の渋み、苦みを強く感じながらの 含嚇ではうがいの行為が不十分となってしまう点、及び継続した含嗽でないと緑茶の殺菌効果が得られない可能性がある点から、緑茶よりも水での含嗽の方が口腔内細菌の減少に効果的であったのではないかと考察されていました

その他に気になる点としては、イソジンなどの含嗽剤で含嗽した場合、含嗽直後は口腔内細菌数は減少するが、1.5時間以降では徐々に増加し、約3時間後にはどの含嗽剤においても含嗽前の菌数と同程度にまで戻るという研究報告があります。この研究では、唾液の流出により口腔内のうが い液の濃度が徐々に低下し、常在菌が唾液により口腔内に流 出してきたためと述べられています。

このため、口腔内細菌が常に少ない状態を保つには、頻繁な含嗽が必要であり、頻繁な含嗽をするには無味無臭、刺激のない水での含嗽が適していることが分かります。日頃から行っている水での含嗽は、実は科学的根拠に基づいたものだったんですね!

しかし、そんなに頻繁に含嗽するのは面倒くさいと思われる方もおられると思います。
市販の含嗽剤であるリステリンは、12時間の持続殺菌力があると説明されています。
当院で販売しているコンクールFも、配合されているグルコン酸クロルヘキシジン(殺菌剤)は殺菌力が高く、歯や粘膜に吸着して長時間持続する(最大約12時間)と言われています。

頻繁に含嗽できない方は、リステリンやコンクールFなどの長時間殺菌作用のある含嗽剤を使用してみてはいかがでしょうか。

 

コンクールFについて
[効能・効果]
ムシ歯の発生および進行の予防、歯肉炎の予防、歯槽膿漏の予防、口臭の防止

❶ 高い殺菌力:グルコン酸クロルヘキシジン(殺菌剤)配合
        約12時間効果が続きます。

❷ 優しい爽快感:お口に優しく後味スッキリのマイルドミント味

❸ 濃縮タイプでお得:1本で360~700回分

殺菌効果が長続きするので。就寝中もムシ歯・歯周病菌の増殖を防ぎ、しっかり予防できます。また適度な爽快感なので、長期間継続することができます。

以上の点で、当院ではコンクールFをお勧めしております。気になる方はスタッフへ聞いていただければ詳しく説明させていただきますね。

当院の待合室には、歯科関連の情報誌としてnicoを置いておりますので、待ち時間の合間に是非ご覧頂ければと思います。
何かご不明な点があればお気軽にスタッフまでご質問下さい。

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